1日目 千葉(7:00発)=京成津田沼(7:40発)=船橋(8:20発)=松戸(9:10発)=八幡平高原温泉・八幡平ホテル泊
夕食
2日目 八幡平高原ホテル=[玉川・後生掛温泉へご案内]=八幡平高原温泉・八幡平高原ホテル(泊)
朝・夕食
3日目 八幡平高原温泉=[乳頭温泉へご案内]=八幡平高原温泉・八幡平高原ホテル(泊)
朝・夕食
4日目 八幡平高原温泉=終日フリー=八幡平高原温泉・八幡平高原ホテル(泊)
朝・夕食
5日目 八幡平高原温泉=松戸=船橋=京成津田沼=千葉(20:30予定)
朝食
暑い夏を避けて去年行った秋田県八幡平の高地にある温泉宿が忘れられず、今年も我が別荘に行く感覚で春からツアーの参加を計画し、セールストークする私に小松さんご夫婦も賛同し、小松さんの友人石井さんと私のマージャン仲間の高嶋さんも加わって思いがけず総勢6名のにぎやかな旅が始まった。
8月17日お盆休み明けのUターンラッシュの影響もなく、走行距離650㌔をトイレ休憩4回取りながら、八幡平高原ホテルに5時半すぎ無事到着。家を出てから10時間かかった!と高嶋さんが指を折りながら数えていた。
ひと風呂浴びた後、地産地消の宿自慢デトックス(老廃物を排出する健康法)料理の夕食。宿の女将さんが一品づつ説明してくれる。今晩は秋田名物の焼きタンポが副えられた。

約40分で沼を一周でき自然研究コースとして人気の大沼湿原。朝6時、宿から借りた熊除けの鈴を首にぶら下げて、宿から歩いて10分足らずの大沼湿原に散歩に行く。
湿原に色とりどりの花が咲く6月~7月が絶好で8月も半ばを過ぎたこの時期、湿原に咲くミゾハギ・リンドウ・トリカブト等早くも紫色の秋の花が目についた。
折からの小雨模様で高嶋さんはズボンの裾が濡れるので、ビニールで覆う等して完全防御。アブラガヤが覆い被さり雨にぬれた木道がいまにも滑りそうだった。
熊の恰好な餌になるという水芭蕉の花は全て食べられていて、隆々とした水芭蕉の葉だけが残っている。
背丈程に伸びた萱と葦が邪魔をして大沼の見通しも出来ないので早々に引き揚げ、帰りに八幡平ビジターセンター裏の泥火山を見に立ち寄った。
地中のマグマ溜まりから地上に蒸気が吹き出し、それが安山岩と混ざって泥の火山となっている箇所があちこちにあった。泥の小山がぼこぼこと湯気を立てている。
この近くに、東北電力澄川地熱発電所に蒸気を提供している三菱マテリアルの看板が見えた。
7時宿に戻ったら美味しい朝食が待っていた。さぁ~これから4日間の上げ膳据え膳のスタートです。

玉川温泉は日本一の湧出量(9000?/分)と日本一酸性度の高い温泉で有名。温泉の効果も多方面に効くとされ「療養の温泉」「癒しの温泉」として人気が高く、高原ホテルにも長期滞在しながら宿からの無料送迎バスを利用してこの玉川や新玉川温泉の岩盤浴で温熱治療をしている人達が大勢いるのには驚いた。
自炊部・旅館部・売店に囲まれた風格ある木組みの広い温泉館は100%50%20%源泉に分かれ、さらに打たせ湯・蒸湯等が有る。
数年前100%の湯は傷口にピリピリ沁みたが、今回はそれほどでもなくこれも地震の影響か?と会話した。

宿の貸しゴザを持って話のタネに岩盤浴をしてみる。暑くて5分も出来ない。廻りの人を気にせず何やら免震と耐震の違いを得々と説明し始めた石井さんと細胞遺伝学云々の主人、延々としゃべり始めた。
隣で岩盤浴をしていたおばあさんが“ここに来てふだん聞いたことが無い話を一杯聞かされ勉強になった!”と皮肉交じりの捨てセリフを吐きながら、うるさくて敵わないと言わんばかりにそそくさと小屋から出て行った。

大量のラジウムを含んだ源泉が、長い年月の末に石化して出来た特別天然記念物北投石(雀友高嶋さんはペイトウセキと呼ぶ)が多いこの辺りで又一休みする。

午後から宿のマイクロバスで後生掛温泉に行く。
「温泉保養館」と呼ばれる大浴場は木作りの山小屋風で男湯・女湯共「箱蒸し」「泥湯」等バラエティに富んだ入浴が楽しめる。又湯治村は一年中地熱で床が温まっているオンドル部屋で、五棟の湯治村には自炊部がある。湯上がりに窓からニワトリ小屋の様な湯治村を覗いて見た。
間仕切りのロープにバスタオルを掛け、皆温かいセメントの上にゴザを敷き横たわっていた。入口の水汲み場には、山から流れてくる冷たい水で缶ビールを冷している光景は、昔から山深い湯治場で恰好な骨休み場だったように感じられた。大浴場にある狭い泥湯と、打たせ湯も箱蒸し湯も一通り体験してみた!どれも面白かった。
高原ホテルまで歩いても10分程の近さだったが、長時間の蒸風呂で湯疲れし音をあげた石井さんの希望で、迎えのバスで一緒にホテルに戻った。

夜、去年この宿で知り合った長期滞在中の広島の越智さんと健康麻雀を楽しんだが、その彼女が今年も居た!居た!高嶋さんが外部に騒音が漏れないように急拵えしてくれた防音装置付き雀荘305号で夕飯の後、又彼女を誘って夜更けまで麻雀を楽しんだ。

高嶋さんと石井さんの二人は今回初めてという乳頭温泉鶴の湯に行く。
乳頭温泉は秋田の乳頭山の麓にある温泉郷で、高原ホテルからバスで二時間余り、ここ鶴の湯温泉は温泉の中でも最も古く1688年の創業。秋田藩主の湯治場だった由緒ある温泉。今なお警護の武士が詰めた茅葺き屋根の長屋「本陣」が残っている。
本陣を利用した宿泊部屋は、部屋の角に小さな炉が切ってあり敷き放しのセンベイ布団が見える。
お盆明けなのに大変な混みよう。宿泊料も高いうえに一年先まで予約が一杯と聞く。黒湯・白湯・混浴露天等沢山有るがどこも『芋の子』洗い。脱いだ洋服を置く場所がなく僕はサンダルの上に置いた!と石井さんは嘆いていた。この日も雨模様で雨宿りの場所もなく皆口々に期待外れ!宣伝が効きすぎて秘湯の面影も無いと聞く。

以前、乳頭温泉 鶴の湯に行ったことのある小松さん夫婦と私達は、今回乳頭温泉郷の七つの湯【蟹場・黒湯・孫六・大釜・鶴の湯・妙の湯・休暇村田沢湖高原】の中の黒湯温泉と孫六温泉に行く。

乳頭温泉行きの送迎バスを蟹場温泉で下車。車では行けない細い砂利道を30分程歩くと孫六温泉が見える。
道の途中左手に「乳頭山登り口4K」の立て看板が目に入る。山からの冷たい水を皆で飲んだ。
湯治場の風情を残している孫六温泉は「山の薬湯」としても知られ、耳の遠い老夫婦が湯番をしていておつりを貰うまで暫し時間がかかった。入湯料510円也。 
          “ああ~気持ちが良い”川向うの新緑と冷気が何とも快かった。それにしても足場の悪い所で三脚を立てて撮るなど小松チャンもまめですねぇ!

孫六温泉を出て細い山道を登って10分の所にある黒湯温泉、乳頭温泉郷最奥で数軒の茅葺、杉皮葺きの黒い宿舎が寄り添うように軒を連ね昔ながらの湯治場の風情を伝えている。地内には源泉が湧き出る河原が有り湯量の豊富なことでは乳頭温泉郷では随一である。



黒湯温泉から霧にけむるブナ林の中を塩アメをなめながら休暇村乳頭温泉郷まで30分程歩いた。固いチップを敷いた遊歩道にはブナの実生が沢山根を張っていた。ブナの黄葉を見に秋に是非来たいと思った。休暇村の食堂で秋田名物の『稲庭うどん』を食べた。

秋田県鹿角市花輪の祭り。毎年8月19日・20日に行われ、鹿角市の夏の終わりを告げる行事となっている。また、日本三大ばやし(祇園・神田明神・花輪)の一つに数えられている。鹿角市の代表的な民俗芸能であり、1978年無形民俗文化財に指定され、今年3月に「花輪祭の屋台行事」として、国の重要無形民俗文化財に指定された。力一杯鐘と大太鼓を鳴らすお囃子、夏休み返上して練習したであろう子供達に精一杯の拍手を贈った。

部屋でゆっくり読書したいと言う石井さんと朝寝坊の主人を残して、4人はホテルの送迎バスで10分足らずの八幡平アスピーテラインを通って標高1100mの【ふけの湯】に行く。
永年間開湯を誇る名湯として知られる「ふけの湯」は、地熱を利用した蒸かしの湯からその名がついた。モクモクと蒸気が立ち山間に造られた露天風呂は、夜になるとランプが灯り野趣満点!パンフレットを石井さんへのお土産に貰って帰った。

ロビー正面には、道祖神が祀られていて、そのかたわらに牧野富太郎植物学者の額入り写真が飾ってあった。

「蒸けの湯」にこの春出来たという木樽の露天風呂。
脱衣所は男女別々なのに、入って見たらなんと男女混浴の露天風呂。
ここで私達女性陣は、殿方三人【高嶋・小松・写真右の伊藤さん】に無料のセミヌードショウを繰り広げた。

蒸けの湯の帰り、迎えのバスを途中で降りて、宿近くのレストハウス「ゆらら」でラーメンや冷し中華の昼食。
山の中で食べるラーメンは思いのほか美味しかった。宿から直行の石井さんは味噌かつ丼を旨そうに食べていた

午後1時半 宿のマイクロバスで10分足らずの籐七温泉に行く。八幡平アスピーテラインを下ると籐七温泉の全景が見える。籐七温泉の一軒だけの宿屋「彩雲荘」は、海抜1400mの東北最高峰の八幡平の景観を独り占めにした様な自然の中にある。樹海や岩手山を一望でき、高山植物を見ながら自然散策や秋には紅葉も見事である。トタンで囲ったようなお粗末な露天風呂が沢山ある。湯質は最高!ドロドロの灰が沈んでいて小雨交じりで肌寒い程だったが、硫黄泉の湯に浸ると最高にいい気分!!ぬるくてなかなか出られなかった。

温泉が好きでこれまで鬼首(宮城)や鉄輪・明礬温泉(大分)など秘湯を求めて方々に行ってみたが、この八幡平一帯は至る所から硫黄泉が吹き出し。湯質湯量ダントツだと思った。まさに秘湯中の秘湯で、リピーターとして是非又来たいと思う。
4泊5日の湯めぐりも今日で終わり、旅の最後に宿のオーナーが岩手県に伝わる『南部・牛追い唄』を鈴をながしながら朗々と唄ってくれた。

更に石井さんからのビールの贈呈を受けて、熊の鳴声(平常時・危険察知・子熊を呼ぶ声)もお披露目した。

武蔵野で中澤和裁師範学舎を主宰する中澤キミさんと広島でチェーン店を数多く持つ「すし福」のオーナー越智栞さんは、クーポン券を利用し毎年長期滞在をしているという。中澤さんから玉川温泉の時熱で蒸かしたというホカホカかぼちゃの差し入れとユニークなポンチョの型紙を作って頂き、又東京から田沢湖経由後生掛までの乗り継ぎも丁寧に教えて貰った。
お互い元気で八幡平『高原のわが家で』の再会を約束した。

朝寝坊の私達が早朝のラジオ体操から始まり連日の湯巡りで少々疲れも感じるが、宿のオーナーご夫妻の気配りと健康に良いデットクス食事、岩手地方に伝わる民謡と予定外の花輪の屋台囃子まで見物が出来、何よりも旅行中爆笑が止まない素敵なメンバーとの五日間、想い出に残る最高の旅でした。
今年は私の視力とパソコンが共々使用期限すれすれで、思い通りに動かず大分時間がかかってしまいました。
御同行の皆様には大変お世話になりました。

R・KUSANO SHOBOU 制作
2014.9.6